掟破りなバーカウンター
カイロプラクティック アガペにはなんとバーカウンターがある。
ここでコーヒーも飲める、お酒も飲もうと思ったら飲めないこともない。(飲まないけど)それぐらい立派なバーカウンターだ。世界中のカイロプラクティック治療院を探してもバーカウンターがある治療院はおそらくここだけであろう。ある意味、掟破り。
「カイロプラクティックを侮辱するな!」と声も聞こえてくるかもしれない。 でも私はこれがやりたかったのだ。今日はそんなお話。
開業前、カイロプラクティックの研修でアメリカに行った時、様々なカイロプラクティックの施術院を見学させてもらった。カイロプラクティックはアメリカ生まれ。本場アメリカの治療院はどんなにすごいのだろう?と期待して行った見学の中で、とんでもなく私の既成概念を大きく崩す治療院に出会った。
その治療院はコロラド州のボールダーにあるカイロプラクティック院。入り口はちょっとしたカフェのような作りで雰囲気はとってもさわやか。だったのだが、中に入ってびっくりした!壁と天井が真っ黒。なかもうっすら暗くなっている。で音楽がガンガン!なっている。
いわゆる「クラブ」だ。
「は??????なんじゃこりゃ!」
正直見たことのないその内装に正直とまどった。しかも部屋の隅にはなんと!DJブースとターンテーブル!
「おいおい・・・」
と思ったそばからカイロプラクティックのドクターが現れた。 またその格好に度肝をぬかれた。黒いジーンズに黒いピチTを着て、金色の短髪でとてもスタイリッシュなドクターが現れたのだ。
「ここで週一回DJよんで回してもらってるんだ。もちろん施術中にね!」
「はぁぁ????」
でその姿で多くのクライアントを診ていた。やっているカイロプラクティックは本当にすばらしいものだった。多くの方が良くなっていく。本場のカイロプラクティック治療院ならドクターは白衣を着て、病院みたいな雰囲気で・・・が当たり前でと思っていた私は今まで持っていた既成概念がガラガラ崩れていくのを感じていた。
「あーこれでいいんだ。」とおもった。
自分のやりたいスタイルでいいんだ。誰に気を使うでもなくどんなスタイルでやりたいか?を考えるようになった。私も修業時代は整形外科や整骨院等で白衣を着て施術していた。我々が白衣を着るメリット、純粋にそれは・・・
説得力が出ること。 威厳がなくてもそれらしく見えること。(笑) 「先生」と呼ばれやすいこと。そして敬われることだ。そして残念ながら白衣を着るとクライアントは緊張を生み出す。白衣を着ることにより来る患者(クライアント)は「先生!おねがいします!」というスタンスになる。つまり施術者に依存することになる。施術する側も「うむ!わかった!治してしんぜよう。」と偉ぶる。その力関係は私のカイロプラクティックには必要ない。
私のカイロプラクティックはカイロプラクティックの「原理原則」を忠実に守って施術している。それは「あなたの中にある力(治癒力)があなたの痛みや病気を治す。私が治すわけではなく、私はその治癒力を押さえているものを取り除くだけ。」と言うこと。それを必ずクライアントには説明をして施術にはいる。つまり依存ではなく対等な位置で一緒にやっていきましょうというスタンスなのだ。そして緊張関係でなくリラックスした関係を築く必要もある。
それを考えたら白衣や病院みたいな内装、雰囲気は必要ないのだ。それをこのアメリカで痛感した。それ以来、自分のカイロプラクティック施術院を開くとき、どんな雰囲気で施術するのが一番かを真剣に考えるようになった。
「出来るだけ治癒力を発揮出来る環境を・・」
そう考えたとき、一番大切なのはクライアントとのコミュニケーション、そして自分がずっといて気持ちいい空間が必要だと思った。たわいもない会話、それを行うスペース、リラックスしてコーヒーでも飲みながら笑い合いながらしゃべれる場所...
そうバーカウンターしかない!
そう考えてバーカウンターをつくることを決めたのだった。床はぬくもりを出す為に木にこだわった。そしてヨーロッパのカフェのような白い壁。こうしてカイロプラクティック アガペは生まれた。いままでこのバーカウンターで多くのクライアントの声を聞いてきた。
時に泣いたり、笑ったり。そうすることでより深くクライアントのことを知ることができた。それはカイロプラクターにとってとても大切なことだと思う。時には施術でなくお茶だけを飲みにくるクライアントもいる。 それでも全くアガペはウェルカムだ。
そうしてここから元気をもらえたという人が沢山生まれることを願っている。